2013年09月14日

トンプソンのバースト射撃

トンプソンのバースト射撃


今週も「悪徳の都」から。トンプソンのフルオート射撃に関して主人公のアールが手本をみせてくれる。

彼が両手で保持しているのは45口径のトンプソンM1928短機関銃で、フィンを切った銃身、カッツの銃口制退器、垂直型のフォアグリップ、精巧に工作されたラインマンの可変照準がついていた。
手入れがいきとどいていて、オイル光りする、同種の銃がほかにまだ五丁、テーブルの上に並べられている。
(中略)
 射場の、距離二十五ヤードのところに、コルト製のポリス・シルエット、手首からさきが腰のあたりに隠れている人型が、ぬっと出現する。
(中略)
「耳を押さえとけ、みんな。だが、目は開けておくんだぞ。弾道がよくみえるように、曳光弾をつかう」
 完璧なFBI式射撃姿勢をとって銃を構え、弾倉の実包の半分を発射すると、それだけの射撃でも、左の手首の古傷が痛んだ。彼はフォアグリップをかたく握りしめて、銃を身に引きつけた。それが、このしろものを御するための急所だった。銃が震え、ボルトが回転して、空薬莢がばらばらと飛びちるなか、銃口は爆風と閃光と硝煙からなる炎を咲かせるだけで微動だにせず、ひとつながりの咆哮のようなすさまじい轟音とともに、猛烈な速さで弾丸を連射した。
(中略)
アールの銃は、射程二十五ヤードの位置にあるシルエットの中央に、へりのぎざぎざした穴を一個うがっていた。
「すごいって?いや、どうかな。いまのは完全なまちがいだ。三点射以上の連射は、けっしてやってはならない。映画ではいまのように弾をばらまくが、それができるのは、四五口径の空砲の弾薬箱を持った雑用係がカメラのすぐうしろにひかえていて、撮影が中断してスターが休憩をとってるあいだに、弾倉をはずして再装填をやってくれるからだ。おまえたちは弾薬のすべてを自分で携行することになるのだから、むだにつかいたくはないだろうし、天才でもないかぎり、三発め以後の弾はどれもこれも木立のなかへ飛んでいくのがおちなんだ。わたしはたまたま天才に生まれついた。フレンチーもそうかもしれない。しかし、ここにはほかに天才はいない。これがわれわれのやりかただ。」
 彼はふたたびむきを変えて、銃を構えると、短い間隔で三度、三点射をおこなった。点射のつど、ターゲットの頭部に銃弾が命中して、火炎をまきちらす。射撃を終えたときには、頭部は消失して、粉砕された厚紙のくずがちらばっていた。


鮮やかな腕前に拍手。
コルト製じゃないけどマンターゲットあります。
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Posted by WERTY  at 12:30 │Comments(0)コンバットシューティング

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