WertyShootingClub

　私は今、ちょっと凹んでいます。週末のヤフーオークションで、また競り負けてしまったのです。

ショートショート・エアガンのある風景

　「♪近づいてく～、近づいてく～決戦は金曜日～」
鼻歌まじりにパソコンを開く。
「おお♪揃ってる、揃ってる。」
月曜辺りからコツコツと集めた珠玉の出品物件たち。どれもこれも大好きな必要アイテムが1円で並んでいるのはこたえられない。
まずは8時台前半の小物2点。更に今日はちょっとしたビッグな物件のオークションが10時台前半に始まるのだ。今は二千円だが、予算は二万円強を予定している。それだけの価値のある品だ。
難なく小物二点をゲット！競争相手もなく、楽勝で高笑い。
「いける、いけるよ今日は。」

　パソコンから目を離すと時計は11時を過ぎた所であった。もう何回目の自動延長だろう、オークションは延々と続いていた。
もう一人の落札候補者は強気だった。豊富な資金力をバックに、力でグイグイねじ伏せるタイプの落札スタイルだ。私は彼の、傲慢なまでのそんなやり方に吐き気がしてグロックを手にした。ジャキーン！とマガジンを叩き込むとターゲットに性急な19発を打ち込んだ。至近距離からの集中打を受けてターゲットの5点ゾーンにはモザイク状の穴が開いた。しかし裂ける事なく形は保たれている。

欲しかった。私はあの出品商品が欲しかった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(終)

新たな挑戦！トレーニングのお供に
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