2019年03月13日
シューティングバーの夜
その夜私は、とあるシューティング・バーのカウンターで飲んでいた。平日の夜だったが、客は多く混み合っている。男性のグループ客に混ざって、女性の姿も見られる。
テーブル席のスーツ集団がオーダーを取りに来た女性店員をからかっている。一方では一人の若い女性がAR-15を重そうに構えて、ターゲットに立ち向かっている。乾いた発射音が雑然とした店内に響く。
私は隣に居合わせたサラリーマンと話をしていた。彼も子供の頃遊んでいたトイガンの世界に、オトナになって戻って来たと言う。家の中でエアガンを撃つと弾が散らかって奥様にイヤがられるのだと言って笑った。子供も居るので中々家で撃つ機会が無く、こう言うシューティング・バーは楽しめる、とも。背後で爆笑が起こった。先程から女性店員をイジっていた男性客がかなりアツくクドいている模様だ。
別の女性店員が私に声をかけ、私が撃つ番が来た、と告げた。私の選択は相変わらずGlock-17だ。既にフル装填してある銃を構えて、トリガーを絞る。パスッ！っと音を立てて飛んだ弾はいい感触だ。目視でセンター、ど真ん中に当たったのが確認出来た。うわ、スゴい！私は一人興奮したが、周りの客は誰も私の射撃など気にしていない。レンジマスター的な男性店員がニコりと微笑む。私は続けて弾を撃ち込み、すぐに全弾を終了した。電動で帰ってきたターゲットをチェックする。弾はバラけてグルーピングも何も無い大笑いの結果だ。ターゲットを持って帰りますか？と訊かれて、私は要らない、と答えた。
夜風に吹かれて帰りながら、一発だけでヤメておけば良かったなぁ、記念になるターゲットが作れたかもしれなかったなぁ、などとブツブツと頭の中で考えながら歩いていった。
ちゃんとしたターゲット使ってる？
テキトーな紙に丸描いてみたり、段ボールとか。それもいいけど、やっぱ印刷したターゲットは気分がいい。何よりキチンと結果が評価できるから励みになる。
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